サポートエンジニアの業務をズバリ指摘している記事がありましたのでご紹介します。

お客さまの困ったをメニューにする - 斎藤昌義(さいとう まさのり) - ZDNet Japan

ここで以下のような内容が書かれています。
お客さまの「困った」を整理する。そうすると、特定のシステムに対してだけだと思っていた自分たちの価値が、それから切り離され、他でも使える価値として見えてきます。

これがまさにサポートエンジニアの役割なのです。
このBLOGで再三書いていることですが、プログラマやシステムエンジニアが、そのシステムに関して最終的な保守まで担当するのは片手間になってしまうので、生産性が落ちるばかりでなく、お客様の「真の問題点」を掬い上げることが出来ません。さらにここで書かれているように
このような取り組みをいくつもの担当顧客について行なっていくと、多くのお客さまで共通した「困った」や「してほしい」が見えてくるものです。それを会社全体で改めて整理してみると、立派なサービス・メニューになるようです。

という点についても後手後手に回りがちです。

サポートエンジニアが専任でいる場合にはどうなるでしょう。サポートエンジニアは全ての案件を串刺しにして対応する担当者です。プログラマやシステムエンジニアといった縦軸では見えなかった問題点が、サポートエンジニアという横軸を通すことで意外と共通課題として見えるものなのです。全ての保守における課題点をまとめ、自社の問題点や強みを分析し、新サービスの提案につなげたり、共通して課題となっている点を改善したり、サポートエンジニアを専任にする利点は多数あります。

ここではIT関係の話ですが、これはSIerに限らず、外食でも製造業でも同様です。クレームを受ける窓口を「客の文句を適当に処理する金食い虫」と捉えてアウトソーシングしてしまうのではなく、「自社の強みと改善点を横軸で分析して費用を圧縮して新規サービスにつなげる事業開発部門」と位置づけてみてはいかがでしょうか。今日明日にすぐ利益とならなくても1年2年と積み上げていくことで最終的には大きな利益につながるはずですし、それがいまの日本に一番足りない考え方なのです。